45 For Trash

しごうするのか、されるのか。

雑感と蜘蛛の糸

久々の更新。忙しさもあったが、書きたい気持ちになれなかった。考えていることは色々あるが、誰かに披歴する類のものではない。でも、このブログは細々とでも維持しておきたいので、たまには何か書いてみる。

蜘蛛の糸の画像 Photo on VisualHunt

今日は久々に顧客対応の予定がないので決算作業をするつもりだった。が、車が故障してしまった。馴染みの工場で引き取ってもらったが今日中に直りそうなので自宅でもできる仕事に切り替えて待機。

今年は会社の事業の比重を切り替えてそれなりに苦労しているが、最も傾注している事業はじわじわと成長している。しかし、集客が最も大きな課題でいまだに決め手を欠いている。顧客に提供しているサービスは好評でリピートや口コミも拡がりつつあるが、突き抜けるところまではなかなか行かない。この事業は気に入っていて自分の精神衛生にも良いので何とか大きくしたいと考えている。

  

要介護状態になってしまった両親の生活は、毎日ヘルパーさんに来てもらうことで何とか成り立っている。

介護サービスについては現場の人々が大変頼もしく、実家と離れている自分でも気軽に問い合わせて状況を確認したり、必要なサービスの追加などを相談できる。肌で感じるのは、制度には色々と落とし穴がありそうだが、現場の人たちの善意によってカバーしてもらっているのではないか、ということ。包括支援センターの人、ケアマネージャー、ヘルパーさん、訪問看護・リハビリの人たちを大変頼りにしている。かかりつけ医にも往診してもらえるようになって一息ついた感じだ。

落ち着いてからは2カ月に1度ぐらいのペースで実家に行っている。車で片道7時間近くかかるが気分転換だと割り切っている。両親は何とか外出できなくもないが荷物を持って移動するのは難しい。生協の宅配をこちらでインターネット注文して何とか日々の買い物はしのいでいる。今の悩みは、耳の遠くなった母と電話でうまくコミュニケーション取れなくなってきたことだ。大変なストレスになる。いずれにしても、急場しのぎをつぎはぎしながら過ごしている感じで何とも落ち着かない。


クズが多いな、と思う。昔から自分の日々の生活でそう感じることは多かった。だが最近は自分の生活の中だけでなく情報としてクズが視界に飛び込んでくる。個人的には真面目に取り澄ましたクズが苦手だ。イライラする。その度に、自分もそのクズの方ではないかと振り返る。人は皆完璧ではない。だが、クズとクズでない人間の間には確実な一線がある。その線を飛び越えてしまえば、ほとんどの人間は二度と帰ってこない。

しかし人間の世界というのはそういうものだ。

不条理な世界の中で自分を保って生きようとすること、それはロシナンテに跨って旅をするようなものかもしれない。ただ、もしかしたら自分がやっていることも汚物をまき散らしているだけかもしれない。

いずれにしても、きっと私は人間というものを捨てられない。人間の方が私を捨てるかもしれないが。


「優しい」という言葉は嫌いだったが、本当に優しい人はいるものだ。


(1年前の今頃書いた文)

生垣と表の街路樹の間に蜘蛛の巣がかかっている。こちらから見ると空を背景にしているので良く目立つ。巣の中心に大きな蜘蛛が一匹。大きさと色からすると女郎蜘蛛の類であろうか。最初にこの蜘蛛を見たのはもう二月ほど前だろう。随分と立派な巣がかかったなと思った。そのうち風雨によって外れてしまうだろうと思っていたが、見事な放射状は揺らいでいない。

巣の中心で餌がかかるのを待つとはどんな感じなのだろう、と思う。蜘蛛の神経はただ平静なのだろうか。餌の振動に神経は昂ぶるのだろうか。あるいは交配の相手を待ちわびているだろうか。

ふと蜘蛛の巣の向こうの空に気が行く。秋らしい澄んだ青だ。蜘蛛は空の青を感じているのかと考えて馬鹿馬鹿しいと思った。仮に蜘蛛が空の青を感じたからといってそれに意味があるはずもない。世界はあるがままにあり、蜘蛛と世界を隔てるものなどない。ただ生きるために生き、せずにおれないことをするだけだ。待つべき時に待ち、食らうべき時に食らう、それだけのことだ。

それにひきかえ私はどうだ。濁った目で蜘蛛の巣を通して青空を見ている。もはや私の目は昔のような青空を見せてはくれないだろう。私の視線はいつのまにか足元の枯草に向いている。

口の中に苦さがひろがる。すり減った奥歯が微かに音を立てる。地面から立ちのぼる昨夜の雨の匂いが、何度も聞いてきた不規則なノイズに変わる。

もっと正直であれば良かったと思う。過去に追いつかれないように目を瞑り、音を立てずに飛んできた。私は蜘蛛ではなく、巣にかかった小さな獲物の方なのだ。糸に絡みつかれて自分ではどうすることもできない。

  

家の中から聞き慣れた声がする。良くは聞き取れないが何か不満を漏らしているようだ。

私は思わず、ふふ、と笑う。 その声はまだ文句を言っている。 無邪気な声だ。

もう一度空に目をやる。手前で微かに 蜘蛛が動く。獲物がかかったのかもしれない。その奥の空は青い。黒い影の動きに合わせて細い糸が光る。

やはり美しい。 世界は完璧なのだ。

  

仕事に戻ろう。


長い間、ブクマもしていなかった。ブコメをする気持ちにもなれなかったからだ。たまにはてブを見ていたが、隅の方でつぶやく気にもならなかった。

久々にブクマしたのは下記のブログ。私は辺境のブクマカだが気にしている。

nyaaat.hatenablog.com

私も短編を書いてみたい。


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