庭にオリーブの鉢植えがある。
会社の室内に5年ほど置いていたのだが、日光が不足していたのだろう、元気がなくなってしまっていた。オリーブを室内で育てるのは難しいとは聞いていたが眺めていたくて、つい過酷な環境に置いてしまっていた。
このままではマズいだろうと思い屋外に置くために1ヶ月前に自宅に持ち帰ってきた。いきなり直射日光を浴びさせるのは怖いので、一日中日陰になる場所を選んで置いた。弱ってしまっている葉を除き、少量の肥料を与えた。
日陰とはいえ室内に比べれば日の光を吸収できる。元来日光が好きな植物だけあって、10日ほどで少し元気になったように見えた。新しい小さな芽がたくさん出ている。
この夏は酷暑だ。日射しもキツい。外にいると肌が焼かれていく感覚をはっきりと感じる。少し迷ったがオリーブを直射日光の当たる場所に出すことにした。その後3週間ほど経つが元気そうである。
オリーブを持ち帰ってから水遣りが楽しみになった。ジョウロに水を汲み白く乾いた土にかける。水はみるみるうちに吸収され鉢の底へと落ちていく。土の色は黒っぽく変わる。
ただそれだけである。その様子を見ているのがなんとも楽しいのだ。自分のやった水をオリーブが吸い上げ新芽に届ける。新芽が日の光を浴びて成長する。新しい枝が分かれて伸びる。一日の変化は微々たるものだが、毎日確実に変化はある。
時々、葉にも水をかけてみる。葉が本来の色を取り戻す。葉先に残る雫が日の光に輝く。
ただそれだけだ。しかしそれが楽しい。心が病みかけているのかもしれない。
いっそ鉢から解放して地面に直接植え替えたいとも思う。いつかこの写真のように大きくなる可能性はあるだろうか。
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