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45 For Trash

しごうするのか、されるのか。

遠く離れた年老いた親と繋がるということ。そして遠隔サポートできるSNS。

常々、なんとなくモヤモヤしていた部分にヒントをもらった気がしたことがあったので書きます。

私には高齢な両親がいます。数百キロ離れて暮らしています。二人暮らしですが最近は加齢に伴う色々な困難が生じ始めています。

同居を申し出ても応じてはくれません。私が実家の近くに戻るのも仕事の関係上困難です。実家に帰れるのは多くても年2回。無理をして自分だけでももう少し頻繁に様子を見に行きたいのですが、ままなりません。

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繋がっているということ

ヒントを与えてくれた記事

今日、こんな記事を読みました。

tokunoriben.hatenablog.com

とても良い記事です。たくさんブコメがつくのも頷けます。そして、ヒントを与えてくれたことに感謝しています。

「母さんね、このインスタグラムっていうのが大好きなんよ。自分で写真を撮らなくてもええんよ。インスタグラム見てると、いつまでも世界の綺麗な画像がずっと流れてきて、まるで世界中を旅してる気持ちになれるんよ。家でひとりでいること忘れられるんよ。」

母親にインスタグラムをやらせよう。 - 拝神

この部分を読んで、ああ自分の親もこんな風に感じてくれるかな、Instagram教えようかな、なんて思ったりして。

世界と繋がるとまで言わなくても、離れている肉親といつも繋がっていることを、単に心の奥底でというだけではなく、何か形として共有しているものがあれば、穏やかに過ごせるのではないかと考えたりしました。

毎日電話を受けています

約1年前から、毎日母からの電話を受けるようになりました。

元々ひどい親不孝者

それまでは数か月に1度ぐらいしか連絡をとっていませんでした。私はひどい親不孝者で、若い頃は2年も連絡を取らなかったこともあります。ほぼ行方不明者同然で、母が手を尽くして見つけ出し連絡がついたとき、母は号泣していました。

さすがに少し大人になり、実家に時々連絡をするようになりました。しかし、結婚してからは、両親は気を遣って特別な要件がない限り連絡をしないように我慢していたと思います。私もその我慢を知りつつそのままにしていました。

私は二人兄弟で、相当年上の兄弟が実家の近くに住んでいたため安心していたこともありましたが、そいつは数年前病死してしまいました。その直後は、さすがに頻繁に実家に顔を出し電話もしていましたが、そのうち元の状態に戻りました。

振り込め詐欺がきっかけ

毎日電話を受けるようになったきっかけは、振り込め詐欺の被害に合いそうになったことです。父も母もほんの少し前まで自営で働いておりとてもしっかりしていましたが、その母が詐欺犯からの電話に完全に騙されていました。幸運にも、私が数か月ぶりに電話をしたタイミングだったので事なきを得ましたが、私が説明してもまだ半分騙されていることに気づいていないようでした。

その後、固定電話は留守電にして出ないようにも言いました。でも、いくら言っても固定電話に出てしまいます。長年してきたことを変えられないのです。もちろん、何かあれば必ず私の携帯番号に電話確認をするように言いましたが不安です。

私は詐欺犯に得も言われぬ怒りを感じました。両親は善良を絵に描いたような人たちです。正直に、またおとなしく暮らしてきました。私は善良な人間ではありませんので、この詐欺犯人を見つけ出したらきっと○○してしまうでしょう。しかし見つけ出すこともできません。

そこで母に毎日私に電話してくるように言いました。仕事中で出られなくても、必ず折り返すから、1日1度は必ず会話しよう。そして変わったことがないか話そう。

母は、淡々と同意した風でしたが、内心はとても嬉しそうでした。父にもこのルールを伝え、非常に無口な人ですが時々電話に出ます。

このルールを決めてから、1日も欠かさず電話がかかってきて、毎日1度は母と会話をしています。会話は短いと3分で終わりますが、時々母の話が止まらなくなります。しかし、時間に余裕がある時は、好きなだけ話させて相槌を打っています。若い頃なら考えられなかったことですが、今は当たり前のことになりました。

それからは、両親がトラブルに巻きこまれそうになることもなくなりました。また、家の中で起こった不具合などの相談にもすぐに乗れるようになりました。

しかし、母との電話を切るたび、たった5分間程度しか繋がっていられないことを申し訳なく感じています。

技術が繋がり方を与えてくれるなら

高齢者は技術を与えられても使いこなせない

父も母も携帯電話を持っていますが、父はほとんど使っていません。母はらくらくホンを使っています。私の送った写真を待ち受けにしていますが、もう何年も前のものです。

時々母から、メールができなくなったなどの相談を受けることがあります。ガラケーを使わなくなって久しい私は、電話で話しているだけではボタンの位置などがわからずすぐに答えられないことがあります。そこで、私のスマートフォンには母の使っている機種の取扱説明書のPDFを保存しました。

父からは、時々パソコンの使い方の相談を受けます。といっても、ネットを見るか写真をプリントアウトするか、簡単な文書を作るぐらいです。相当な高齢なのによくやるなと思いますので、粘り強く説明しています。帰省した際には図解入りのオリジナル説明書を作って、PCの横にでかでかと貼り付けています。

両親にタブレットをプレゼントしようかと思ったこともあります。しかし、ぴったりくっついて使い方を説明できる時間は限られているので、使っていて逆に不安になることを恐れてやめました。

例えば、携帯電話の使い方ひとつとっても、何かに行き詰った時、故障だと確信しない限り両親はドコモショップに行こうとはしません。迷惑だろうと考えるのです。まず自分で解決しようとし、どうしようもなければ近しい人間に教えてもらうのです。近くにわずかな親族もいますが、両親が頼る先は遠く離れた息子です。

教えてあげたくても、すぐには対応できないこともあります。若い人間に教えるようにはいかないので時間がかかります。仕事などでその時間が確保できない時は待ってもらうしかありません。

時々、リモートデスクトップのような機能が携帯電話にあれば良いのにと思います。スマートフォンやタブレットなどなら出来るでしょうか。出来るなら両親にスマートフォンを持たせても良いかも知れません。とにかく、高齢者が新しい技術を享受するには、誰かの助けが必要なのです。しかも、助けてもらいやすい誰かに。高齢者にもわかりやすいUIを作るのも重要でしょうが、誰かが助けてあげることを前提にした機能をデフォルトで付けてくれないものでしょうか

ただ見るだけでいい

もともとヒントを与えてくれた先ほどの記事には、その前にSNSに異質なものが入ってくることへの嫌悪感を表明した若い人の記事が引用されています。

私はこの若い人の言いたかったことも理解できます。しかし一方で、ヒントを与えてくれた記事から、むしろ異質なものが繋がれることにSNSの真価を発揮できるのではないかと思いました。

母と毎日電話をしていますが、すべての言葉を共有できるわけではありません。あくまで私の場合ですが、遠く離れ、違うものを見て暮らす時間が長ければ長いほど、話が通じない場面が生じます。

それは人それぞれの持つ重要な価値観の問題であることもあれば、些細な生活上の常識であることもあります。あらゆる場面で齟齬を感じ、それでも許しあえるのが家族というものでしょうが、それでも多少の摩擦は避けられません。

そこで、先ほどの記事にあったこの言葉が響きました。

文字や文化は世代を超えて共有することは難しいけれど、感性だけは世代や時間を超えて理解できる。

母親にインスタグラムをやらせよう。 - 拝神

確かにそうかも知れないと思いました。離れている両親と繋がる方法は、主に電話などでの言葉のやりとりです。でも、言葉以外の繋がりをもっと重視するべきなんじゃないかと。

私の特殊な傾向でしょうが、両親にあまり写真を送ることはありません。ごくまれに家族の写真を送ることはあります。でも、自分の見た風景の写真を送ることはありません。また、逆に両親の撮った写真を見ることもほとんどありません。

でも、子供や孫、自分の大切な人が、何を見て暮らしているのかを感じられるとすれば、それは思いのほか大きな喜びになるのかも知れない、と思いました。

ちょっと余計な話ですが、なぜか昔見た映画のワンシーンが浮かびました。

ステラ (映画) - Wikipedia

最愛の娘の幸せのために娘と別れた母ステラが、娘の幸せな結婚式を見守るシーンです。ステラは娘に気づかれないように雨の中窓の外から様子を見届けた後、その場から去ります。

このシーンはひとつのファンタジーでありつつも、一方で強いリアリティも感じます。私はここで「愛」を語るつもりも資格もありませんが、ただ見ていること、それで叶えられる想い、そういうものは理解できます。

そして、そこに少しのコミュニケーションがあれば、なお幸せかも知れません。ほんの少しでもよい気がします。

先ほどの記事が言っているように、母にタブレットを贈り、インスタグラムをやらせようかと真剣に考えています。その前に実は自分がInstagramを始めなければなりませんが(笑)。

使い方を遠隔サポートできるSNSが欲しい

しかし不安もあります。バカなことだと思うかも知れませんが、新しいことをやらせるとそれに伴い新しい不安も与えるのではないかと思ってしまうのです。

母はメールは何とか使えます。でも時々、件名のところに本文を打ち込んでしまい字数が足りなくなってしまっていることが時々あります。PCのメールも使えるようにしたいけれど、迷惑メールや誤送信のことなどを考えると、新たな不安を抱えそうで心配です。父は新しい電化製品が好きで、値段がこなれないうちにすぐに購入してきては使いこなすような人だったのに、今では前に使えていた機能も時々使えなくなります。

いくら簡単な操作であっても、相当な高齢だといくらでも躓きうるのです。レベルの低い話だと思うかも知れませんが、両親を落胆させたくないのです。

使い方を遠隔サポートできる機能を含んだSNSがあればいいのに、と思います。SNSのアプリケーションの中に、使い方を随時遠くから教えてあげられるようなモードがあれば、年老いた両親に安心して使ってもらえるように思います。私は技術者ではありませんが、そんなに難しいことじゃない気がします。こういう機能があればもっと可能性が拡がる気がするのですが。

もしかしたら、既に色々方法があるのかも知れません。もし知っている人で親切な人がいたら教えてください。

私の場合、本当は両親の傍にいられるようにしなければいけない事態が目の前に来ているのだとは思います。それでも、今この瞬間、何か手立てがあればそれはやはり嬉しいなと思います。


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