45 For Trash

しごうするのか、されるのか。

ベッキーとゲスの極み騒動を楽しむゲスさ。

何やら、ベッキーさんとゲスの極み乙女の川谷さんに関する話題が盛り上がっている。こういう光景はもう何度も何度も繰り返し見てきたが、嫌気がさしてしょうがないのでとりあえず書く。考えがまとまらないし、みんなわかってやってることだと思うけれど書く。

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Photo credit: hyku via Visualhunt / CC BY

ゲスいのは喜んで騒いでる人たち

この話題のほとんど全てが、誰がゲスいとか、ひどいとか、どっちが悪いとか、誰が可愛そうだとか、そういう話。そこから派生して色々オモシロおかしく盛り上がっている。

あとは、この話題を題材にして、恋愛観とか結婚観とか、夫婦愛とか不倫とかそういうもの一般を語ったり、自己体験に引きつけて話したり、そういう類のもの。

当事者が「当事者の世界の中で」ゲスいかどうか俺は知らないし、興味もないし、言及もしない。どうでもいい。

そんなことよりも、こういう話題で騒いでいたり、この話題を題材にしている人たちはやっぱりゲスい *1。何がそんなに楽しいのか俺にはわからないし、やっぱりこれは私刑じゃないかと思う。

自分に何ら影響のないことを批判する

この件で影響を受ける当事者の家族や仕事の関係者は、当事者に対して批判をしたり、損害の賠償を請求したりすることはあるのかも知れない。

でも、当事者の関係者でもなく、友人でもなく、家族でもない、ましてや恋人や妻や夫や子供でもない、そういう人間にとって、彼らがどう恋愛しようと、それが「不倫」に当たろうと、そこにどういう背景事情があろうと、利害関係もないし、生活に何らの影響もないのだから、騒ぐ必要はまったくない。

何らの被害も受けていないのに怒り、揶揄し、叩く。叩く先には、芸能人であれ人間がいてそれなりのダメージを受ける。みんなそんなに誰かにいつもダメージを与えたいんだろうか。それともそういうこと自体意識していないのか。

そこには、芸能人にはプライバシーを切り売りする商品だという了解が存在するということなのかも知れないし、芸能人側もプライベートと仕事の境界を曖昧にした情報を発信して利益を得ている事実はあるのだろう。そうだとしても、生身の人間であるし、話題になっている行動は、プライベート中のプライベートとも言える世界での出来事。そこまで「売る」意図がないことは明らかなんじゃないだろうか。

公の顔である芸能活動の中で起こった出来事ではなく、超プライベートな問題で、当事者以外に被害を与えている訳でもない。それなのに、被害者でもない人間が大喜びで叩くことが当たり前になり過ぎていると思う人間は少数派なんだろうか。そう思う人間の声はかき消されているのかな。

「倫理的に許されない行為だから叩かれるのは当然」「だって腹が立つんだもん」「おもしろいじゃん」「どうでもいい自分に影響のない話だから話題にしやすいんだよ」という声が聞こえてきそうだ。まあ、そうかも知れんな。そもそもは話題を提供する側の問題なのかも知れない。でも、提供する側は、君たちが大喜びすることを知っているから、つまり需要が高いから喜んで提供するわけだ。

自分に何ら影響のない、直接的にも間接的にも被害を受けていない人間が、誰かを吊し上げて叩くような世の中。こういう風潮をずっと放置していると、自分のまわりでもそういうことが横行してしまうんじゃないだろうか。いや、既にそういう世界なのかも知れないな。

そんな世の中にみんな住みたいんだろうか。俺は御免なんだけど。

他人のプライバシーを楽しむ

昔から、芸能人のプライバシーを暴いて商売にする媒体はあって、写真週刊誌などは創刊当時多くの議論を呼んだ気がするんだけど、今はすっかり市民権を得ているように思える。特にネット社会には親和性があるのかも知れない。

若い頃、とある写真週刊誌のカメラマン(記者)をやっている人と知り合う機会があって話を聞いたとき、他人のプライバシーをネタに食っていることへの後ろめたさなど微塵もないんだなあ、ということにちょっと驚きつつも、食うための仕事なんだから仕方ないよな、と自分を納得させようとした記憶もある。

一方で、国民にとってとても重大な問題なのに、上品におさまっているようなメディアが扱わないようなネタを写真週刊誌だけがスクープしていたり特集していたりすることもある。

だから、何かの媒体を一絡げにして批判することが正当だと言い切るつもりはない。

でも、やっぱり自分に利害関係があるわけでもない人間のプライバシーをのぞき見して楽しむ、という行為がそう簡単に許される世の中がいいとは思えない。むしろ、本当は国民の利害に直結するような要人の行動は暴かれずに、どうでもいい芸能人のプライバシーだけが暴かれているという現実が隠されているような気にもなってしまう。証拠のある話ではないので推測に過ぎないが。

誰かのプライベートを覗き見してたら、いつか自分のプライベートも覗き見されちゃうんじゃなかなあ、と漠たる不安もある。そこまでじゃなくても、そういう行為に対するハードルが下がっちゃう気がする。

中には自分のプライバシーをネタとして生きるのが好きな人もいるだろうけど、これまた俺は御免だ。

他人のプライバシーを利用してまじめな顔で議論する

まあ、こういうことを書いたところで、何ら利害関係はないけど、面白いから誰かのプライベートな問題を話題にして大騒ぎする人たちは相変わらずそれを続けるんだろう。俺にはそれをどうすることもできない。

ただ、こういう話題をきっかけに何か「まじめな」話をし始めるっていうのが、実は一番弊害が大きんじゃないかと思っている。

もうずっと昔の話だが、とある大物カップルの破局が報じられた時、多くのメディアが例によって色々とスキャンダラスな報道をこぞって行っていた。そんな中、とあるメディアが「この破局を題材に若者の恋愛に影響している前近代的価値観について議論しよう」というような趣旨でこの話題を取り上げていた。

一見スキャンダラスな報道とは異なるまじめな取扱いである。でも俺は辟易した。何を言ってるんだ。話題のカップルがどういう経緯で婚約をし、どういう経緯で破局したのかは、プライベートな問題であってこの問題を話題にしたり詮索したりすること自体が、恋愛が本来超プライベートな問題であること、社会的な圧迫・束縛から自由であるべきものであること、に真っ向から反する態度なのではないかと思ったからだ。

恋愛や結婚、それらにまつわる様々な価値観などについて論じるのはもちろん構わない。でも、「近所の○○さん(実名)が最近不倫して奥さんと離婚訴訟になっていて子供の親権問題とかで揉めているんですけど、これを詳しく見ていきながら結婚についてまじめに考えてみましょう」と公の場で話す人はいないよね。せめて誰なのか特定できないように話すはず。

超プライベートな問題については、それを詮索しないことこそが、恋愛や結婚における個人の自由に資すると俺は思ったわけだ。

自由が欲しければ、自分に関係ない他人のことは放っておけ、それが自由を議論するためであっても、というのが今も変わらぬ俺の考えだ。

ゲスいということだけでは済まされない

自分たちに何らの関係のないことを、さも大きなニュースのように扱う雰囲気の問題は、それがゲスいということだけではない。むしろ、ゲスいということだけなら大した問題じゃないかも知れない。俺にだってゲスいところはあるし、ゲスい部分もあってこそ人間だという緩い考えもある。

ただ、自分に影響のないどうでもいい出来事をことさらに大袈裟に扱う風潮にやっぱり疑問はある。

例えば、とある「偉い」人の家族が増えた、進学した、素敵なドレスを着ていたなどという、自分たちには何ら関係のない報道を垂れ流されて、それを「ああ、おめでたい!」「わあ、よかった!」「素敵だなあ」とかとグダグダと話題にすることも、結局は同じだ。これは批判しているのではなく、好意的に受け止めて感想を言っているだけだから良さそうなことだけど、本当にそうだろうか。

その人の社会的な役割を通じてその人を見ること以上に、その人のプライベートに注目するということに俺自身は違和感を感じるが、そのこと自体を否定するつもりはない。誰にだって好奇心はある。

でも、その好奇心に応える報道がなぜ過剰に行われるのか、それを少しは考えた方がいい。「需要があるから」そうかも知れない。でもその需要は作られたものかも知れない。なぜそんな需要を作り出す必要があるんだろう。「儲かるから」本当にそれだけだろうか。

とある人が、結婚しようと、離婚しようと、不倫しようと、子供を産もうと、何を着ようと、どこで遊ぼうと、可愛かろうとブサイクだろうと、君の生活には何の関係もない。何の利益も害悪ももたらさない。一方で君の生活に関係のある出来事は君の目には映らない。大袈裟だろうか。


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*1:この話題をきっかけにして言及すること自体がゲスいというなら俺もゲスいってことになるけれど、話題の中身には触れないことで回避しているつもり。別にゲスいと言われてもなんともないが。

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