45 For Trash

しごうするのか、されるのか。

Amazonプライムフォトは容量無制限・無劣化、Googleフォトを超えた?

amazon.co.jpは2016年1月21日、アマゾンプライム会員であれば追加料金なしで利用できるオンライン写真ストレージサービス「プライム・フォト」の提供を開始しました。

これまでもアマゾンにはオンラインストレージサービスAmazon Cloud Driveがあり、5GBまでは無料、それ以上は有料となっていましたが、今回はプライム会員であれば追加料金なし容量無制限かつ写真圧縮不要という何とも太っ腹なサービス開始です。

昨年から矢継ぎ早に発表されてきたプライム会員向けの特典サービスの一環であり、容赦ないアマゾンの顧客囲い込み攻勢の中でも相当なインパクトがあるものと思われます。

f:id:shigo45:20160122134526j:plain

Amazonプライムフォトとは

AmazonにはオンラインストレージサービスのAmazon Cloud Driveというものが既にあり、これまでもアカウント登録すれば誰でも5GBまでは各種のファイルを無料で保存できました。

そして、今回提供が始まったプライムフォトは、言うなればこのAmazon Cloud Driveの機能のうち、写真・画像についてのサービス内容を一気に拡張する特典です。以下、プライム会員になったら、追加料金なしで使えるプライムフォトの内容について説明します。

写真・画像保存容量無制限

プライム会員であれば、カメラやスマートフォン、携帯電話などで撮影した画像を、何枚でも容量無制限で保存できます。

基本的にカメラやスマホの写真であれば、まったく保存容量を気にすることなくどんどんアップロード出来るということです。

基本的に全ての写真フォーマットに対応していますが、念のため以下の注意事項を読んでおきましょう。画像ファイルとして認識されるファイルのみがプライムフォトの対象になるということですね。

プライム会員向けの写真を好きなだけ保存可能となる特典(プライム・フォト)の対象となるのは、画像ファイルとして認識されるファイルのみです。暗号化された写真ファイルは、容量無制限の対象とはなりません。

Amazon.co.jp ヘルプ: Amazon Driveに対応している写真とパーソナルビデオのファイル

また、一般的な画像ファイルは、保存とともにウエブ版Cloud Driveやスマートフォンアプリなどから閲覧できますが、非対応の画像フォーマットだと保存はできてもこれらから閲覧はできません。写真の対応フォーマットは下記の通りで、普通であれば問題なく閲覧できるはずです。

写真: JPEG(.jpgまたは.jpeg)、BMP(.bmp)、PNG(.png)、TIFF(.tiff) ファイル形式に対応しています。また、主要なRAWフォーマットの写真も閲覧可能です。

Amazon.co.jp ヘルプ: Amazon Driveに対応している写真とパーソナルビデオのファイル

無圧縮・無劣化での保存もOK - RAWもそのまま!

すごいのは、写真を無圧縮・無劣化で保存することもOKだということ。

デジタル一眼レフカメラで撮影したRAWファイルも、変換・圧縮加工することなく保存でき、容量無制限のプライムフォトの対象になります。

ここでも念のため以下の情報を読んでおきましょう。多くの人には問題なく安心して利用できる内容だと思われます。

以下のカメラ機種のRAWファイルであれば、Cloud Driveで写真ファイルとして認識されます。対応機種は変更されることがあります。

  • Nikon(NEFファイル) : Nikon D1、Nikon D1X、Nikon D4、Nikon Coolpix A、Nikon E5700、Nikon AW1、Nikon D800、Nikon D50、Nikon D610
  • Canon (CR2ファイル): Canon 5D、Canon 1D、Canon 1D MarkIIN、Canon Rebel SL1、Canon 60D、Canon 5D MarkIII、Canon 1D MarkIV
  • Sony (ARWファイル) : Sony A7、Sony A7R、 Sony A6000、 Sony NEX-5T、Sony NEX-3N、Sony NEX-6

Amazon.co.jp ヘルプ: RAWファイルについて

また、下記をご参考に。

写真として認識されないRAWファイルは、DNG(Adobe Digital Negative)に変換することもできます。Cloud Driveは、DNG (Adobe Digital Negative)ファイルを写真として認識します。

Amazon.co.jp ヘルプ: RAWファイルについて

注意事項

動画等写真以外のファイルは5GBまで無料

なお、繰り返しになりますが、Cloud Driveが写真として認識しないフォーマットのファイルは、無料5GBの容量消費にカウントされます。動画もプライムフォト容量無制限の対象外ですのでご注意ください。こちらの容量増加をしたい場合は、有料オプションに申し込むことになります。

プライムのキャンセル、更新しない場合

Amazonプライム無料体験に申し込むとプライム会員の特典が利用できますが、無料期間終了後、有料会員にならない場合は、保存容量無制限から5GBの制限容量に切り替わります。5GBをオーバーする写真は保存されなくなります。また、プライム有料会員が更新しない場合も同様です。

プライムをキャンセルされた場合や、更新されなかった場合には、無制限の写真ストレージ特典はご利用できなくなります。この場合、写真の保存にも現在ご契約中のCloud Driveの容量制限が適用されるようになります。

Amazon.co.jp ヘルプ: プライム・フォトについて

アップロード方法 - 自動保存もできる

Amazonアカウントにログインすれば、PCやスマートフォンなどから写真をアップロードできます。

PC用としてはアプリケーションAmazon Cloud Driveが用意されており、またブラウザからログインして利用することもできます。スマートフォン用としてはAmazon Photosアプリがあります。

Amazon Photosアプリでは、スマートフォンで撮影した写真をCloud Driveに自動的に保存する設定も可能

設定で、自動保存をするかどうか、Wi-Fi接続時のみアップロードするかどうか、充電中にのみアップロードするかどうか等細かく設定できます。

f:id:shigo45:20160122165222j:plain

自動保存に設定すれば、スマホなどで撮影保存した写真がCloud Driveに勝手にどんどん保存されていきます。容量を気にする必要もないので文字通りほっとらかしでOKというわけですね。

ただし、最近のスマートフォンのカメラは画素数も2,000万画素を超えるものもあり、ファイルサイズはどんどん大きくなっています。これらを無制限で保存できるのは嬉しいものの、バッテリーや通信パケットのことは気に留めておいた方がいいでしょう。常時アップロードするような設定だと、バッテリーを消費し、パケット通信量をみるみる消費することにもなりかねません。自動保存設定をする場合は、Wi-Fi接続時のみ、充電時のみ等の設定は必須だと思います。

Googleフォトとの比較

昨年Googleフォトが容量無制限サービスを発表した際は、これはオンライン写真ストレージの決定版では?と騒がれました。

Googleフォトは容量無制限の上に無料で利用できる点が優れています。しかし、容量無制限で使うには、「アップロードサイズ」の設定で「高品質」と「元のサイズ」のうち「高品質」を選ぶ必要があります。そして、容量無制限の「高品質」設定だと、1600万画素を超える写真は自動的に1600万画素にリサイズされます。加えて、1600万画素以下の写真もサイズダウンされてしまいます。また、RAWファイルも無制限容量の対象とはなりません。

一方で、Googleフォトを「元のサイズ」で利用すると、アカウントに与えられる15GBまでの上限容量を消費することになり、これ以上を使いたい場合は有料となります。

悩ましいところですが、ごく簡単にプライムフォトとGoogleフォトとの比較を表にして見てみましょう。

※ 下表は無料プランの比較(有料オプションを追加しない前提)です。

     Amazonプライムフォト Googleフォト
料金 プライム年会費3,900円/年(税込) 無料
保存容量 無制限 無制限
写真のサイズ 無制限 1600万画素
RAWファイル ×
写真のリサイズ されない される
写真以外 5GB 15GB*1

こうやって見ていくと、完全な写真のバックアップとして考えるとAmazonプライムフォトの方に軍配が上がるように思えます。ポイントは写真をリサイズせず、RAWファイルまでも容量無制限で保存できる点でしょう。

ただし、プライムフォトを使うには、Amazonプライム会員になる必要があり、年会費3,900円がかかります。写真保存に対するニーズとこの年会費をどう考えるかが決め手になるだろうと思います。

Amazonプライム会員料金は安いもの?

ただし、Amazonプライム会員には、プライムフォト以外にも様々な特典があります。主なものを列挙してみると、

  • 無料の配送特典
    プライム対象商品なら「お急ぎ便」「お届け日時指定便」を無料で利用できます。ちなみに私はどうしても翌日配送してもらう必要がある商品を購入した際にプライム会員に入会しました。プライム対象商品なら問題なく翌日には配送されます。都内なら当日というのもあるようですね。

  • プライム・ビデオ
    プライム対象の映画やTV番組が追加料金なしで見放題です。国内・海外の映画・ドラマ・アニメなど豊富なラインナップです。もちろん、すべてがプライム対象というわけではありませんが、古い作品から最近の作品まで探せば良い作品もたくさんあります。私はこのプライムビデオをきっかけに出会った作品がいくつもあり、そのうち当ブログで紹介したいと思っています。
    また、ストリーミング再生だけではなくダウンロードしてオフラインで視聴することも可能なのが素晴らしいところ。Fireタブレットのみならず、Android端末、iOSデバイスでもダウンロード視聴できます。Wi-Fiでダウンロードしておいて、通信環境のない場所で視聴するということができるのでとても便利です。この特典が発表された時は結構インパクトがありました。

   

  • Prime Music
    100万曲以上の楽曲やアルバムを追加料金なしでPCやスマートフォン・タブレットなどで楽しめます。楽曲数はまだまだ少ないですが、メジャーなものからマイナーなものまで結構な楽曲がそろっています。もちろんプレイリスト等も編集・保存できます。正直言うと私の場合、購入するほどではないけどちょっと聴きたかったなあ、と思っていた楽曲などを探すことが多いのですが、結構良い曲に出会えることも多いです。
    こちらもストリーミング再生以外にダウンロードしてオフラインで曲を聴くこともできます。Wi-Fiでダウンロードしておいて電車や車の中で聴くこともできますのでとても快適です。

  • Kindleタイトル月1冊無料
    Kindle端末またはFireタブレットを持っていれば、Kindleタイトルを月1冊無料で読むことができます。ただし、月1冊無料対象のタイトル限定で、同時に無料で読めるタイトルは1冊のみです。
    ちなみに下のFireタブレットはプライム会員なら4,000円OFFの4,980円で買えます。値段なりのスペックで、通信はWi-Fi接続のみですが、Kindle本を読んだりプライムビデオを楽しむ分には十分。脅威のコスパだと思います。これもAmazonの囲い込む戦略のひとつですね。尚、プライム会員として割引を受けるにはクーポンコードの入力が必要、無料体験中の方は後に有料会員になればAmazonギフト券4,000円分がもらえます(時期によりキャンペーンの内容は異なります)。

   

  • プライム会員限定先行タイムセール
    タイムセールの商品を通常より30分早く注文可能です。たまに掘り出し物があることもありすぐに売り切れてしまうこともあるので、使える場面もあるでしょう。

他にもAmazonパントリーやAmazon定期おトク便のおまとめ割引など特典がありますが、私が特に恩恵を感じていたのは「無料配送特典」「プライムビデオ」「プライミュージック」の3つ。これだけで十分元が取れていると感じていたのですが、今回プライムフォトが登場してお得感がまた大きく向上した感じです。

Amazonプライム会員について詳しくはこちらからどうぞ。

   

プライムフォト デビュー記念キャンペーン

※ このキャンペーンは終了しています。

ちなみに、プライムフォトの開始に合わせてキャンペーンが実施されています。抽選でカメラがもらえたり、Amazon.co.jpが販売するカメラストア全品で利用できる10万円の分のクーポンが当たるそうです。期間中プライムフォトを利用して写真をアップロードするとキャンペーンに応募でき、1日1エントリーで最大25エントリーまでできる模様。

キャンペーン期間は、2016年1月21日(木)11時00分から2016年2月14日(日)23時59分(日本時間)までの25日間です。

アマゾンのキャンペーンって気づかないことも多いんですよね。

まとめ

最後はAmazonプライムの宣伝になってしまいましたが、私は昨年プライム会員になって恩恵を十分に感じており、映画や音楽が好きな方、Amazonで買い物を頻繁にする方にとってはおススメできるものだと思っています。

今回、プライムフォトがプライム会員特典に追加され、これまた十分使える内容。というよりも、既存のオンライン写真ストレージサービスの中で、本命の一択になる可能性を感じます。

撮影した写真を劣化なく無制限で保存でき、プライム会費以外は不要。既にプライム会員の人にはなんとも嬉しい限りの特典ですが、まだプライム会員になっていない人も他の特典に魅力を感じれば、これを機会にプライム会員になっても良いのではないかと思うぐらいのサービスだと感じます。

昨年来、アマゾンの日本市場における顧客囲い込みの本気度をひしひしと感じます。しかし、ひとつだけ留意しておきたいのは、プライム会費にしても各種特典にしても、未来永劫同じ価格、同じサービスが提供される保証はないということ。

賢い消費者としては、一企業のサービスだけに全てを預けるのではなく、常にバックアップも考えておきながら利用したいものだと思います。

ちなみに私の写真の保存方法はこれまでPCのHDDと外付HDDでしたが、これらの使用は継続しつつ、プライムフォトを加えようと考えています。


This is a post from 45 For Trash

*1:動画は1080pまでなら15㎇の容量を消費せず無料無制限で保存可能

POLICY :1. このサイトへのリンクは自由です。 2. できるだけ誤りのないように書いているつもりですが、当サイトに掲載する情報の正確性は保証できません。また掲載している情報は執筆日現在の情報です。 3. 当サイト、当サイトリンク先、広告リンク先の利用によって生じたいかなる損害についても一切の責任を負いません。 4. 当サイトはGoogleアドセンス、Amazonアソシエイト、その他アフィリエイトの広告を掲載している場合があります。 5. 当サイトご利用の場合は上記の事項に同意したものとみなします。