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45 For Trash

しごうするのか、されるのか。

SMAP解散報道から感じる芸能人の地位の不安定さとただ見せられるだけの視聴者

政治・社会

世間はSMAPの解散報道で持ち切りですね。

芸能の話題は芸能人のプライベートに触れるものが多く、距離をとりたい私ですが、今回は芸能活動そのものに関わる話題なので、感じたことを書いておきたいと思いました。

SMAPは私にとっても親しみのあるグループであることもあり、今回の報道を見ながら普段疑問に思っていることが噴出してくるような感覚だったので少し書いてみます。

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前提

SMAPの解散や事務所離脱・残留に関する事実関係や背景、今後の見通しについては、まだよくわからないことも多く、私に整理する能力はありません。当然、各種報道に触れて皆さんが知っている程度か、それ以下の事しか私は知りません。また業界通でもないので、特定の事実関係について断定するつもりも能力もありません。不確実な事実や推測に基づく部分も多いので、煮え切らない言葉になっている部分も多いですが、その程度のものとしてお読み頂ければ幸いです。

芸能事務所と芸能人の形式的対等

芸能人は労働者ではなく個人事業主

芸能人と芸能事務所との法的関係は、多くの場合、雇用契約ではなく、個人事業主である芸能人と芸能事務所とのマネジメント(業務提携)契約だと思います。

形式的には、対等である芸能人と芸能事務所とが、契約の更改について交渉しているだけであり、更改しないかどうかも含め当事者の自由だと言えるでしょう。

しかし、実態に即して考えるとそのように形式的に考えて良いものなのでしょうか。

事務所を介さない仕事は禁止され、事務所の手配・指示に従って働く。休みがなくても労働者ではないので労基法の適用はありません。交渉で休みを要求をすることは可能とはいえ、それをすれば次の仕事は来ない可能性もあります。絶大な人気があれば強気の交渉も出来る場合があるかもしれないですが、多くの芸能人はそうはいかないはずです。

芸能事務所もビジネスなので、利益を生む人気の高い芸能人の要求は受け入れることも多いかも知れませんが、では実力があれば必ず芸能人の意向が強く反映されるかといえばそういう保証はありません。

この部分だけでも、単なる対等な当事者間の契約だとみなして芸能人への保護はなくても実質的に良いものかどうか、疑問に感じるところはあります。

どこに所属するかも簡単な話ではない

また、どの事務所とマネジメント契約を結ぶかについても、対等当事者と扱われる芸能人には自由がある、というのが形式的な話ではあります。

しかし、大手事務所との契約をやめ、リスクはあっても独立したり他の小さな事務所で頑張ればいい、という話だと単純に思えないところもあります。何故なら、大手事務所の芸能界やテレビ界における影響力は絶大であり、もしもそこに睨まれたら、この村で生きていくことには大変困難がであろうことが想像されるからです。

もちろん、芸能活動はテレビなどのメディア出演だけではなく、地方での営業、ディナーショーなどいくらもあるという声もあるでしょう。しかし、メディア出演を中心に仕事をしてきた芸能人にとって、これらへの出演を閉ざされることは芸能人としての「死」を意味します。

こういった意味でも、芸能事務所と芸能人との関係には「支配従属」的関係が生まれやすく、芸能人の権利状態には著しい不安を感じます。

芸能事務所に握られた生殺与奪

時々、急にテレビなどのメディアから姿を消す芸能人がいます。もちろん、犯罪や不祥事によるものが多いですが、他方、そのような事情もないのに急にパッタリと見かけなくなる人がいます。いわゆる「干された」という状況です。

これは、ソース自体の信憑性を確かめる術もないので本当に推測に過ぎませんが、アクセス可能ないくつかの情報によれば、事務所から独立する際円満でなかった場合や、芸能事務所の実力者との関係が悪くなってしまった場合などがありそうです。逆に、大した人気やニーズもなさそうなのに急に露出が増える人もいます。

実際、売れっ子だったのに何故がある日突然メデイアから姿を消してしまった人が、何年も経って急にテレビなどに出演しはじめ、視聴者の支持があるとは思えないのにすごい数の番組に出演するパターンを目にします。

人気や実力とは無関係なところで、メデイアへの露出の量、つまり「売れる」かどうか、仕事があるかどうかが決まっている側面があるのではないかと推測され、事情は様々でしょうが、芸能事務所の意向が強く反映している可能性を感じます。やはり芸能事務所は、所属芸能人、いや他社所属の芸能人をも生かすか殺すか決める力を持っているということではないでしょうか。

当たり前のことかも知れませんが、このことは、芸能人が形式的に対等当事者として扱われ、実質的にはあまり保護されていないことと強く関係していることだと思います。

見せられているのは個人商店の寵愛や憎しみ

芸能事務所の中にはそれなりに大規模な企業もありますが、その中身は創業者一家による個人商店的性質を持っている場合も多いのでしょう。

このような組織では、表面上は仕事の評価のように見えて、実際にはそれと無関係な評価・処遇が行われやすい傾向を否定できません。わかりやすくいえば「好き嫌い」による評価です。これは他の業界の一般企業にも言えることですが。

話題のジャニーズ事務所も同族経営のようです。しかし、私は別にここでジャニーズ事務所が「好き嫌い」で物事を決定していると言っているわけではありません。また、こういうことが同族経営でなければ起こらない事だと言っているわけではありません。ただ、同族経営にはそういうリスクがついてまわるということです。

ただ、もし仮にそういった一部の人間の「好き嫌い」によって、芸能人(知識人とて称する人も)のメディア露出量が決まるとすれば、我々がメディアを通じて見ているものは、我々の嗜好を反映しているのではなく、ごく一部の支配的な力を持った人間の意向を見せられているのではないかと思えなくもありません。

しかも、情報バラエティ番組やスポーツ新聞、週刊誌などで語られる事実も、支配力のある事務所の意向を反映、忖度するものである可能性もあります。

実際、SMAPの解散報道についても、ジャニーズ事務所側や残留を決めているとされる木村拓哉さん側の立場から書かれているものが多い気がします。一方、中居正広さんら4人については、国民的アイドルであることに配慮してか明確な悪意こそないものの、軽率であるとか思慮が足りない、後悔しているなどという描き方が多いようです。そして、ジャニーズ事務所の支配力が絶大であるかどうかにはあえて触れずに、脱退になりそうな4人の将来に暗雲が垂れ込めているように書かれているように思えます。

多くはジャニーズ事務所を離れると「SMAP」という名前が使えなくなることを話題にしていますが、既に一人一人が強く認知されている彼らにはそこが主要なら問題出ないことは各メデイア共に理解しているはずです。問題は、大手事務所の事実上の支配力ではないかと思いますが、これはあまり言語化されることなくメディアはほとんど触れられません。

たかが芸能と考える人もいるでしょうか?私はそうは思いません。芸能も一つの文化であることがひとつ。また、メディアに出演する芸能人の発言、姿勢などが社会に与える影響力の大きさがひとつ。また、異論はあるかも知れませんが、依然として放送電波が限られた国民の財産であることがひとつ。

これらのことから、ここまで述べてきたようなことが実態としてあるなら、それは大きな問題だと感じます。

これでいいのか?

芸能事務所は単にエンターテイメントだけを請け負っていると考えるのも誤りだと思います。

今やメディアの世界は、エンターテイメントとか報道とか、そういう枠がきっちりとはまったものではありません。報道がエンターテイメント化したり、一定の芸能人が特定の政治的立場の代弁者となっている場合も珍しくありません。場合によっては、組織的に駆り出されてスピーカーになることもあります。

我々がメディアで目にするものが、一部の人間の思惑によって決められ、我々が本当に見たいものであってもメディア露出の道が閉ざされているとするなら、我々はそれに抗議すべきではないでしょうか。

華やかに見える芸能の世界が、実は極めて前近代的であり、実力・人気に関係なく、誰かに睨まれたら生きていけない世界だとしたら、それは、干されてしまう芸能人にとっての問題というだけでなく、見ている我々を害する行為だと思います。

私は、SMAPのメンバーの身の振り方を、ただ話題として消費するのではなく、彼らの権利や、見ている我々の権利として論じる必要があるのではないかと思います。

そしてもし、SMAPのメンバーを今後も目にしたいなら「見たい!」と声を上げ続けるべきです。そうしないと、何人かのメンバーは人気にかかわらずメディアで目にすることがなくなり、視聴者はそのことすら思い出さなくなるでしょう。

社会の津々浦々で行われていることと変わらない、陳腐な話なのかも知れません。また、芸能人は消費されていく存在なのかも知れません。しかし、彼らも人間であり、ただの商材としてではなく、才能・実力によってメデイアへの露出が決まり、消えゆくときは才能・実力によってフェードアウトしていく世界になる方が、視聴者にとっても確実に良い世界になる、私はそう思います。

後日こんな記事も書きました。↓
www.shigo45.com

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